気が付いたら最近買った本の著者は、桑原晃弥さんか竹内一正さんでした。これらの本は、iPhoneが出てきて再びジョブスに注目が集まった時期に書かれています。同じ状況、同じ著者ということで、これ以上買っても、同じ視点なので、今後は昔から出版されていた本を、図書館で借りて読もうと思います。
この本のまえがきにはこう書いてありました。日本は今、個人所得も伸びず、ビジネスにも閉塞感がただよう。なにをどうしていいのか、宙ぶらりんの状態だ。だからこそ、熱いジョブスの生きざまが、読者の目の前の悩みを吹き飛ばし、一歩先へ進む勇気となれば、こんなにうれしいことはない。
確かにそうかもしれない、今は強い指導者の出現を皆が望んでいるように思えます。特に、このような時代だからこそ政治でも強い指導者が求められているにも関わらず、この5年位考えても、で何人の首相が変わったことか。指導力のない、一貫性のない政治家ばかりが目立ってしまうからこそ、ジョブズのようなあくの強い指導者にハイライトが当たるのではと思います。実際は多分、部下の中にはジョブズを嫌っている人も多かったのではないかというのは想像しやすいことです。
・書籍のご紹介
2011年10月31日月曜日
2011年10月30日日曜日
スティーブ・ジョブズ 失敗を勝利に変える底力 PHPビジネス新書
失敗を恐れるものに、成功の女神はほほえまない。ジョブズの数え切れない失敗が、それを証明している。
表紙の袖にはそのように書かれていました。今まで、何人もの偉人伝を見ても、やはり、僅かな成功の裏に数え切れない数の失敗があります。その僅かな成功が、誰にもなしえなかったものだからこそ、成功者となるのでしょう。以下は本の中で印象に残った部分を抜粋しました。
第1章 アップルをクビになったことは人生最高の出来事
”「ジョブズは水平線のかなたにある数千マイル先まで見通すことができる」と評したのはかって部下だったジョイ・エリオットだが、こう付け加えることを忘れなかった。「しかし、そこに到達するまでの道がどうあるべきかは、ジョブズにはわかっていなかった」。経営トップが部下を置き去りにし遥か先をたったひとりだけで突っ走っているようでは、アップル社の問題は何一つ解決できないままだった。”本文より
第2章 策士が策に溺れてどうする - 戦略の失敗
”企業は、トップでなければ自分のやりたいことはできないものだ。そのことがよくわかっていいたジョブズは自分を救ってくれた恩人をあっさりと裏切って権力を手中に収めた。”本文より
そういえば、ネクストキューブはよく覚えています。斬新なデザイン、しかも洗練されたOSそのものは魅力的でしたが、当然、個人では手に入るものではなく、私のいた会社で熱狂的なアップルファンが給料と貯金をはたいて買った人間がいましたが、2,000人もいる外資系の会社でたった一人です。この当時はワークステーションというカテゴリのサン・マイクロの独壇場でした。その理由は、UNIXというOSで大量に流通するフリーソフトウェアの魅力であり、それはかって私のいた、当時世界第2位のコンピュータ会社、DECのコンピュータの存在と同じでした。そこに、概観、ハード、OSがすばらしい物が現れても、そこで動くソフトウェアが限られていたのと、価格が高すぎたというのが敗因だと書かれていますが、その通りだと思います。そのあたりのことが分からないジョブズはマーケティングセンスはあまり無いと言わざるを得ないと思います。
ピクサーの高度なグラフィックハードウェアにも魅力を感じたというのはジョブズらしい感覚だと思いますが、商売になるかというと結果論ではなく難しいと言わざるを得なかったと思います。
しかし、この次期私も米国に何度か言ってSIGGRAPHというグラフィックの展示会、カンファレンスを見て回りましたが、この頃のグラフィックのハードウェアは無限の可能性を感じたものです。しかし、ネクストキューブ同様、ソフトウェアの多さがキーとなるのは、いつの時代を同じですね。特定の業界向けの特定のハードウェア、ソフトウェアは必要な人から見れば、いくら出しても買いたいものでしょうが、パイが小さすぎる。私もiPod Touchを出た手の頃に買いました。それは、それまで、iPod Shuffle、iPod Nanoと買ってきてその延長で買ったのですが、コンセプトは全く違ったもので、単なる音楽プレーヤーではなく、小さなコンピュータでした。これが成功したのは皆が認めるとおり、アプリケーション開発のインタフェースを公開して、色々なソフトウェアが数百円という安さでダウンロードできる点でした。これは、ジョブズが考えたのか、マーケティングの人が考えたか分かりませんが、これが成功の原動力だと思います。
そう考えると、当時の日本にもジョブズと同じようにハードウェアにのみ魅力を感じて、これらのハードウェアの開発に力を注いだ人も多かったと思います。しかし、これほど自分勝手な人が日本にはいなかったということなのでしょう。
当時のMacには、概観やユーザインタフェースにはあこがれましたが、買わなかった最大の理由は、自分の仕事には必要がないからでした。ウインドウズのOfficeが無ければ文書のやりとりは出来ないし、仕事で使うソフトウェアはウインドウズでしか動かないなど、また、ハードウェアが限定されていないので色々なメーカがそれぞれの特徴を出して製品を出していたので、あえてMacを買う必要は無かったのです。とくに、ハードウェアがMac独自のもので汎用性がないという印象が強かった。
このあたりの時代を過ごしたものとしては、言っても言い尽くせないくらいの思いはあります。
アップルI、IIはウォズニアックが成功させ、アップルIIIはジョブズが失敗と導き、同様にリサでも失敗に導いた。マッキントッシュは一時成功を収めたが、長続きはせず、ジョブズはアップルを追い出され、新たに作った会社でも、ネクストキューブは売れず、ピクサーのハードも売れなかったのに、世間は、なぜジョブズを称えるのだろうか?それは、やはりiMac, iPod, iPhone, iPadの成功が印象的だったからだろう。
第3章 感情が先走れば理は消える - 人間関係の失敗
”ジョブズは全米注目の大金持ちとなったが、創業以前からの友人でありアップルの成長に寄与したコトケには、どうしたわけかストップオプションを認めなかったのだ。コトケのような古株社員に対して冷淡なジョブズと違い、もう一人の創業者であるウォズニアックは、心優しく手を差し伸べた。少数の連中だけ巨額を手にし、同様に頑張ったのみ株を手に出来なかった社員がいるのはおかしいとウォズニアックは感じていた。そこで彼は自分の持っていた株式を、分け前にあずかれなかった社員たちに与えることにしたのだった。”本文より
”一般的な企業では、社長の一番重要な役割は後継者育成であると言われ、部門長においても後継者育成は最重要の業務である。しかし、ジョブズは後継者を育成してこなかった。製品育成のほうに熱中するジョブズは、後継者の育成は現在もなおざりだ。”本文より
第4章 豪華絢爛な商談の果てに - 交渉の失敗
マイクロソフトは1975年に、アップルは翌年に創業した。アップルIIが世に出たときにBASICを提供していたのがマイクロソフトであった。このときに、アップル自身もBASICを開発していたが、ビルゲイツはこれを中止させた。その後、OSを持ったマイクロソフトは、ウインドウズというOS上でネットスケープというブラウザを追い出しIEを無理やりユーザに使わせた。このウインドウズというOSをのさばらせてしまった原因はアップルのソフトウェア軽視の結果である。私たちは出来の悪いウインドウズとその上で動く出来の悪いソフトウェアのバグを取るための新しいOSやOfficeと呼ばれるソフトウェアをその都度、高いお金を支払って買い続けなければならなかったのです。これによって、幾つものソフトウェア会社がつぶされていって、マイクロソフト社にとりこまれていったのです。タブレットの登場によって、ウインドウズを使わない世の中が来てくれればいいと思います。
ジョブズ、ビルゲイツ、それぞれ色々な場面で契約を通じて主導権をとり、とられと言ったことが展開されていたが、そのあたりのことがこの章に書かれています。IBMは結局、利幅の薄いハードウェアを作り続けてきただけで、トータルな製品としての主導権は一度も取れなかったのです。その後出てきた多くのパソコン企業も、利幅の少ないハードウェアにウインドウズというOSをのせ、CPUはインテルから買っていたわけです。今は無き、コンパック、DECでもパソコンは作り、HPもパソコンは作り、ゲートウェイ、DELLなどなど。一斉を風靡したワークステーションのサン・マイクロもORACLEに買収されなければつぶれていただろうし、アップルもAndroidに対していつまで優位でいられるのかも、舵取りを少し間違うだけで逆転してしまうでしょう。
第5章 全員の賛成なんか期待するな
2005年にアップルはモトローラ製の携帯電話にiTunesを搭載した「ロッカー」を販売していたと書かれていますが、全く記憶に残らない製品です。
この失敗を機に、ジョブズは独自の携帯でiPodのような機能でこのような操作性の悪い製品ではなく、液晶にセンサーを貼り付け、指の操作で曲の選択が出来るような製品を密かに開発していたようです。そして、万を辞してiPhoneを世に送り出したようです。そのモトローラの携帯部門は、今やGoogleに買収され、Google製のAndroidの最新版を搭載した旧モトローラの携帯電話が世にでてきて、さあ、アップルとの戦いは誰が勝利者となるかは予断を許さない状況です。
・書籍のご紹介
2011年10月29日土曜日
Inside Steve's Brain : Business Lessons from Steve J by Leander Kahney
今日は代官山に用事があり、その帰りに新宿で紀伊国屋書店に寄りました。7回の洋書コーナーでこの本を見かけて、買いました。ペーパーバックなので1,509円と安いので助かります。
しかし、話は変わりますが、RFIDも安くなって色々な商品につけられていますね。この本の裏にもバーコードが印刷されたRFIDが付いていました。つい5年以上前には高すぎて安い商品には付けられなかったのですが、今は安く出来て色々なものに付けられていますね。これを付けると、支払いをしないでゲートを抜けようとすると警告がなるシステムに活用できますし、在庫管理などにも応用できるものですね。
本を読んだ感想はそのうちに。
・書籍のご紹介
しかし、話は変わりますが、RFIDも安くなって色々な商品につけられていますね。この本の裏にもバーコードが印刷されたRFIDが付いていました。つい5年以上前には高すぎて安い商品には付けられなかったのですが、今は安く出来て色々なものに付けられていますね。これを付けると、支払いをしないでゲートを抜けようとすると警告がなるシステムに活用できますし、在庫管理などにも応用できるものですね。
本を読んだ感想はそのうちに。
・書籍のご紹介
スティーブ・ジョブズ超人伝説という特大号の雑誌を読んで
最近はスティーブ・ジョブズという名前が本に出ていると、本屋でつい取り上げて眺めてしまいます。
今日も、会社のビルの1階にある本屋さんの入り口にある話題本コーナーに、表紙にスティーブ・ジョブズ「超人伝説」とかかれた週刊ダイアモンドの今週の特大号と銘打った雑誌がありました。
パラぱらっと見て、スマートフォンの宣伝本のような本でしたが、少しジョブズのことが書かれていたので、とりあえず買いました。アップルは私が社会人になって数年経ってから出来た会社ですので、最初の製品から今に至るまで全て見聞きしてきましたが、ほとんど忘れていたので、会社の年表が見開きにあり、時代と製品の名前が載っていて、その頃のことが思い出されました。この年表になかったのですが、アップルからニュートンというPDAが出された頃、私はPalmというPDAを作っている会社に勤めておりました(Palm OSは日本ではソニーにライセンスされてCLIEという名のPDAがあったのを覚えているかもしれません)ので、その時代の技術とiPodやその他の技術が折り重なってiPhoneの下地になったのではないかと思います。つい、6年位前には電車の中でCLIEを使っている人を多く見かけました。私もCLIEはメモ帳代わりに使っていました。そのときの手書き文字認識の技術はiPhoneには生かされませんでしたが、日本製のスマートフォンには手書きという技術が生かされていて、日本人の適応の速さと応用の力はまだまだあると感じました。余談ながら、私はPalm部門のある3Comという会社の本社へ出張した際に、Palm VIIという無線ネットワークに接続してインターネット接続するという今のiPhoneのような製品を買いました(日本ではこの無線ネットワークサービスは提供されていないので、全く使えないのは分かっていますが、買ってしまいたいのがマニアックなところです)。かなり前からこのようなアイデアは実現されていました。
Palm pilotの写真
Palm VIIの写真
Sony CLIEの写真
newtonの写真
このiPodからiPod Touchへの変革には大きく昔のニュートンというPDAでの失敗が生かされたのではないかと思います。私の知り合いにも熱烈なAppleファンがいて、Macを買い換えていたり、ニュートンを持っていたりしていましたが、マイナーな感じがありました。しかし、iPhoneの登場でAppleがメジャーとなって今は誇りに思っているのか、それともマイナーなAppleが好きだったのかは聞いていないので分かりません。その彼は、ジョブズがAppleから去った後で作った会社のNeXTというワークステーションは当時、高かったのに小遣いで買って会社に持ってきて使っていました。本体は黒い大きな四角の箱でディスプレイやプリンターも黒で統一された、デザイン性に優れた製品でした。ワークステーションではSun Microsystemsが大きなシェアを占めていましたが、別のセグメントで勝負しようとしていたようです。しかし、これもビジネス的には失敗でした。そのときの、社員向けのビデオがYouTubeにあることがAppBANKというサイトで紹介されていたので、ここでも紹介させて頂きます。
でも、ジョージルーカスのグラフィック製作会社を買って、そこのエンジニアが作り上げた「トイストーリー」が大ヒットして大金持ちに返り咲くなど、投資家としては周りの人たちを情熱的に働かせたところはすばらしいし、多分、色々なわがままを言ったでしょうが、それについてきたエンジニアの勝利だと言えると思います。
ジョブズがAppleへの復帰後の製品で鮮烈に記憶に残っているのが、iMacでした。ブラウン管ディスプレイの筐体の中にすべての機能を詰め込んで、横から見るとおにぎりを逆さにしたような斬新な形で、ジョブズらしいこだわりは、カラーバリエーションでした。暗めのブルー、薄めのオレンジ、シルバーなど、それぞれ個性的でした。これは、いままでのMacintochの四角を基調としたものとはことなり、角の取れたやわらかいデザインでした。同時期に出たデスクトップの筐体も同じようにプラスチックを用いた柔らかなイメージのものでした。
iMacの写真
しかし、私のようにAppleの誕生と同じ時代に育った人間にとっては、多くの失敗製品を見ていますし、少しの成功した製品を見ているので、スティーブ・ジョブズが神様だとは到底思えませんが、完璧な製品を作るという理念と芸術と科学を融合させた「リベラルアーツ」の体現は誰にも真似できないということには反論は致しません。
この本の中でソフトバンク社長の孫 正義さんは、ジョブズに対する見方として「すべてが本物に対するこだわりです。まさに芸術家です。その芸術に技術を融合させました。現代のレオナルド・ダビンチのようです。その作品は世界に広まり、多くの人のライフスタイルを変えました」と書かれておられました。
また、ジョブズがNeXT社を立ち上げた頃日本語版WIREDの編集長だった小林弘人さんは、ジョブズは、使い手にとっての操作性などを含めたデザインに、ものすごくこだわります。そして、アップルの製品は「どうあるべきか?」という哲学的なところまで踏み込んで考えていましたと書かれています。また、「ジョブズという人は、経営者という文脈で語るべきではないのかもしれません。もちろんすぐれた経営者であり、改革者であり、そしてイノベーターではありますが、私にはジョン・レノンやジミー・ヘンドリック、ブルース・リーなど時代を象徴した”ポップ・アイコン”のような存在だというほうがしっくりきます。とも書かれています。
・雑誌のご紹介
今日も、会社のビルの1階にある本屋さんの入り口にある話題本コーナーに、表紙にスティーブ・ジョブズ「超人伝説」とかかれた週刊ダイアモンドの今週の特大号と銘打った雑誌がありました。
パラぱらっと見て、スマートフォンの宣伝本のような本でしたが、少しジョブズのことが書かれていたので、とりあえず買いました。アップルは私が社会人になって数年経ってから出来た会社ですので、最初の製品から今に至るまで全て見聞きしてきましたが、ほとんど忘れていたので、会社の年表が見開きにあり、時代と製品の名前が載っていて、その頃のことが思い出されました。この年表になかったのですが、アップルからニュートンというPDAが出された頃、私はPalmというPDAを作っている会社に勤めておりました(Palm OSは日本ではソニーにライセンスされてCLIEという名のPDAがあったのを覚えているかもしれません)ので、その時代の技術とiPodやその他の技術が折り重なってiPhoneの下地になったのではないかと思います。つい、6年位前には電車の中でCLIEを使っている人を多く見かけました。私もCLIEはメモ帳代わりに使っていました。そのときの手書き文字認識の技術はiPhoneには生かされませんでしたが、日本製のスマートフォンには手書きという技術が生かされていて、日本人の適応の速さと応用の力はまだまだあると感じました。余談ながら、私はPalm部門のある3Comという会社の本社へ出張した際に、Palm VIIという無線ネットワークに接続してインターネット接続するという今のiPhoneのような製品を買いました(日本ではこの無線ネットワークサービスは提供されていないので、全く使えないのは分かっていますが、買ってしまいたいのがマニアックなところです)。かなり前からこのようなアイデアは実現されていました。
Palm pilotの写真
Palm VIIの写真
Sony CLIEの写真
newtonの写真
このiPodからiPod Touchへの変革には大きく昔のニュートンというPDAでの失敗が生かされたのではないかと思います。私の知り合いにも熱烈なAppleファンがいて、Macを買い換えていたり、ニュートンを持っていたりしていましたが、マイナーな感じがありました。しかし、iPhoneの登場でAppleがメジャーとなって今は誇りに思っているのか、それともマイナーなAppleが好きだったのかは聞いていないので分かりません。その彼は、ジョブズがAppleから去った後で作った会社のNeXTというワークステーションは当時、高かったのに小遣いで買って会社に持ってきて使っていました。本体は黒い大きな四角の箱でディスプレイやプリンターも黒で統一された、デザイン性に優れた製品でした。ワークステーションではSun Microsystemsが大きなシェアを占めていましたが、別のセグメントで勝負しようとしていたようです。しかし、これもビジネス的には失敗でした。そのときの、社員向けのビデオがYouTubeにあることがAppBANKというサイトで紹介されていたので、ここでも紹介させて頂きます。
でも、ジョージルーカスのグラフィック製作会社を買って、そこのエンジニアが作り上げた「トイストーリー」が大ヒットして大金持ちに返り咲くなど、投資家としては周りの人たちを情熱的に働かせたところはすばらしいし、多分、色々なわがままを言ったでしょうが、それについてきたエンジニアの勝利だと言えると思います。
ジョブズがAppleへの復帰後の製品で鮮烈に記憶に残っているのが、iMacでした。ブラウン管ディスプレイの筐体の中にすべての機能を詰め込んで、横から見るとおにぎりを逆さにしたような斬新な形で、ジョブズらしいこだわりは、カラーバリエーションでした。暗めのブルー、薄めのオレンジ、シルバーなど、それぞれ個性的でした。これは、いままでのMacintochの四角を基調としたものとはことなり、角の取れたやわらかいデザインでした。同時期に出たデスクトップの筐体も同じようにプラスチックを用いた柔らかなイメージのものでした。
iMacの写真
しかし、私のようにAppleの誕生と同じ時代に育った人間にとっては、多くの失敗製品を見ていますし、少しの成功した製品を見ているので、スティーブ・ジョブズが神様だとは到底思えませんが、完璧な製品を作るという理念と芸術と科学を融合させた「リベラルアーツ」の体現は誰にも真似できないということには反論は致しません。
この本の中でソフトバンク社長の孫 正義さんは、ジョブズに対する見方として「すべてが本物に対するこだわりです。まさに芸術家です。その芸術に技術を融合させました。現代のレオナルド・ダビンチのようです。その作品は世界に広まり、多くの人のライフスタイルを変えました」と書かれておられました。
また、ジョブズがNeXT社を立ち上げた頃日本語版WIREDの編集長だった小林弘人さんは、ジョブズは、使い手にとっての操作性などを含めたデザインに、ものすごくこだわります。そして、アップルの製品は「どうあるべきか?」という哲学的なところまで踏み込んで考えていましたと書かれています。また、「ジョブズという人は、経営者という文脈で語るべきではないのかもしれません。もちろんすぐれた経営者であり、改革者であり、そしてイノベーターではありますが、私にはジョン・レノンやジミー・ヘンドリック、ブルース・リーなど時代を象徴した”ポップ・アイコン”のような存在だというほうがしっくりきます。とも書かれています。
・雑誌のご紹介
スティーブ・ジョブス名語録を読んで
PHP文庫から出ているこの本は、以前買って読んでたのですが、チャリティーで20冊の本を寄附する際に差し上げた1冊でした。
今、スティーブ・ジョブスが亡くなって、本屋を探したときに、真っ先に目に付いたのがこの本でした。再びじっくり読んでみようと買いました。
基本的に、人が発した一言だけを切り取って、その人の人柄、生き方を理解するのは難しいと思います。このほかにも迷言や心にもないことを言っていて、それだけがクローズアップされているのかを判断するのは読んでいる自分ですから、そのときの気分で心に残る名言に感じたり、当たり前のように感じたりするもので、著者の目から見たまとめかたであるということを年頭に、さめた感じで読み返して見たいと思います。
多分、ジョブスにたいする共通の認識としては、何かを発明したすごい技術者ではないという点。そして、天才経営者でもない。すばらしいものになる素質のある技術を見出し、素晴らしいものに完成させるまで続けるという生き方ではないかと、この本の「はじめに」に筆者が書いていましたが、多分、その通りではないかと思います。
日本にはこうした人がなかなか現れなかったり、少なかったりするので、だんだん日本のものづくりが弱くなってきているのではないでしょうか。そういう風に考えると、ジョブスは日本が元気だった最盛期の町工場の社長さんのような気概と行動力を兼ね備えていたのではと思います。
こういう人が、国産製品として守られた世界にいると最近のニュースのように、1万人規模のリストラをしなければならない事態を引き起こしてくるのでしょう。私は外資系にいますから、こうした国産会社が優遇されている状況をずっと見てきました。大学のクラスでも1番、2番の人がこのような会社に勤め、定年まで守られていた時代もありましたが、今はそんな安定した職場ではないようです。日本の会社が今の事態になってしまったのは、物事の決定において封建的になってきたのではないかと言う点とチームが一丸となって目的に向かうと言う点が薄れてきているのではと思います。つまり、チームを引っ張るような人が少ないのではと思います。
この本で紹介されている言葉で、どれか1つを選ぶとすると、「私が好んでやまないウェイン・グレッスキーの言葉をご紹介します。『私が滑り込んでゆく先はパックが向かってくるポイントであり、パックがあったところではない。』アップルも同じことをつねに試みてきました。誕生のごくごく初期の頃からそうでした。そして、これからもそれに変わりはありません」
One more thing....
「いっしょに働く人材のクオリティ水準を高く保つこと、それが自分の仕事の1つだといつも考えてきた。それは私が個人として貢献できる数少ないことの1つだろう。Aプレーヤーしか要らないという目標を組織にしっかり植えつけようとするのだ。何につけ、世界のトップ人材に目をつけることはあとあと役に立つ」
・書籍のご紹介
今、スティーブ・ジョブスが亡くなって、本屋を探したときに、真っ先に目に付いたのがこの本でした。再びじっくり読んでみようと買いました。
基本的に、人が発した一言だけを切り取って、その人の人柄、生き方を理解するのは難しいと思います。このほかにも迷言や心にもないことを言っていて、それだけがクローズアップされているのかを判断するのは読んでいる自分ですから、そのときの気分で心に残る名言に感じたり、当たり前のように感じたりするもので、著者の目から見たまとめかたであるということを年頭に、さめた感じで読み返して見たいと思います。
多分、ジョブスにたいする共通の認識としては、何かを発明したすごい技術者ではないという点。そして、天才経営者でもない。すばらしいものになる素質のある技術を見出し、素晴らしいものに完成させるまで続けるという生き方ではないかと、この本の「はじめに」に筆者が書いていましたが、多分、その通りではないかと思います。
日本にはこうした人がなかなか現れなかったり、少なかったりするので、だんだん日本のものづくりが弱くなってきているのではないでしょうか。そういう風に考えると、ジョブスは日本が元気だった最盛期の町工場の社長さんのような気概と行動力を兼ね備えていたのではと思います。
こういう人が、国産製品として守られた世界にいると最近のニュースのように、1万人規模のリストラをしなければならない事態を引き起こしてくるのでしょう。私は外資系にいますから、こうした国産会社が優遇されている状況をずっと見てきました。大学のクラスでも1番、2番の人がこのような会社に勤め、定年まで守られていた時代もありましたが、今はそんな安定した職場ではないようです。日本の会社が今の事態になってしまったのは、物事の決定において封建的になってきたのではないかと言う点とチームが一丸となって目的に向かうと言う点が薄れてきているのではと思います。つまり、チームを引っ張るような人が少ないのではと思います。
この本で紹介されている言葉で、どれか1つを選ぶとすると、「私が好んでやまないウェイン・グレッスキーの言葉をご紹介します。『私が滑り込んでゆく先はパックが向かってくるポイントであり、パックがあったところではない。』アップルも同じことをつねに試みてきました。誕生のごくごく初期の頃からそうでした。そして、これからもそれに変わりはありません」
One more thing....
「いっしょに働く人材のクオリティ水準を高く保つこと、それが自分の仕事の1つだといつも考えてきた。それは私が個人として貢献できる数少ないことの1つだろう。Aプレーヤーしか要らないという目標を組織にしっかり植えつけようとするのだ。何につけ、世界のトップ人材に目をつけることはあとあと役に立つ」
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2011年10月26日水曜日
ジョブズはなぜ、「石ころ」から成功者になれたのか?
スティーブ・ジョブズ本を読んで。今年はじめに買ったPHP文庫から出ているスティーブ・ジョブズ名語録はアカデミーヒルズのチャリティ・イベントに差し上げてしまったので、まずは『ジョブズはなぜ、「石ころ」から成功者になれたのか?』から読み始めることとします。
まずは、先入観なしに読みたいといったところですが、まずは先入観をを列挙します。
天才、世の中を変えたと言われていますが、自分自身で良い印象として残ったもの。
1.出来の悪いWindowsに比べて、外観、内観(プリント基板上での部品の配置)がすぐれています。Windowsはいつまで経ってもMacには勝てません。WindowsはサーバだけでよくてクライアントPCにはiPhoneのように電源を入れたらすぐにメールが見れるハードウェアが必要ですし、それと協調してすばやく動くスマートフォン、タブレットで、長年つき合わされて来たクライアントPC及びOSとしてのWindowsにそろそろ引導を渡す時期ではありませんか?私が社会人となって、IBM、富士通、日立などの汎用機を利用してプログラミングをしていて10年くらい経ったときに、8ビット、16ビットマイコンキットがではじめ、MicrosoftはMS-DOSを提供していましたが、それから出てくるもの出てくるもの、Macのまねばかりで、しかも出来が悪く、しょっちゅう、半日がかりでWindowsのインストールをしていました。Windowsは私の貴重な時間をその出来の悪さで浪費させてしまいました。いい加減、どっかにいってくれ!何だって、タブレットにWindows7!?ナンセンス。どこまで、人をばかにすればいいのか。Mac頑張れ、タブレット頑張れ。
2.Lisaは衝撃的でした。NECも、物まねでPC9800時代にPC100なる中途半端なものを作りました。日本にジョブスのような人間はいません。素直にジョブズはすばらしいと思います。
3.昔のMacのイメージは、Photo shopその他、AdobeのソフトウェアはMacでしか提供されていないというように記憶されておりますので、少しづつ思い出してみたいと思います。ゲーム機を引き合いの出すのはお門違いかもしれませんが、売れているゲーム機は、その本体の魅力よりもどれだけ魅力のあるソフトが提供されているかだと思いますので、Mac初期の頃のAdobeの存在は大きかったと思います。最近はAdobeのソフトはWindowsでも動くようになりましたが、やはり、AdobeのソフトはMacでなければと、Macファンでない私でさえ、そう思えるようです。
4.良い製品を作り出すために有能な人物とのパートナーシップに力をいれた
ジョブズは有能な人間の優れたアイデアを自分の理想の実現に利用した人であると思います。そして、その有能な人たちの支えによりすばらしい製品を世に送り出しました。また、数え切れないくらいの試行錯誤の果てにすばらしい製品が出来てきました。これまでのジョブズの業績はこの人たちの業績でもあるのです。
つぎに、悪い印象として残ったもの。
1.iTuneは出来が悪い。
1-1.しょっちゅう、バージョンアップされて、起動してCDなどを読み込ませようとすると、新しいバージョンのダウンロードしますかと言われるのが邪魔くさい。
1-2.iTuneをバージョンアップしようとすると、ついでにQuicktimeのインストールなども誘導される。
1-3.iPodはituneなしには何もできない。それに比べて、ウオークマンはPCに接続するとUSBメモリーのように扱って音楽ファイルをフォルダーにコピーするだけで音楽、写真など振り分けられる。iTuneのようなソフトはあるがそれを使わなくても良い。
2.iPhoneの功罪は。
私はiPod Shuffle, iPod nanoときて、iPod Touchになり早2年以上経っていて、TouchはWifiのある場所や自宅でメール、facebook, twitter, LinkedIn,Google+などを使っていて、便利に使っていますが、スマートフォンブームで皆が使っているのを見ていると、新たなおもちゃが出来た程度の使い方で、こんなのなかった方が良かったんではないかと思うことがしばしばあります。余計なものを作ってしまった?
3.iPhoneに至るまでの失敗の数々
iPhoneはiPodのshuffleからiPod nanoになり、nanoからtouchに変わったときに大きく変わりました。touchはWiFiを持ち、インターネットにつないで自由にアプリをダウンロードできます。音楽は相変わらずiTuneという出来の悪いソフトウェアの動くパソコンと専用ケーブルでつなげなければならないので、このあたりはiPodの初代から受け継がれた技術ですが、TouchにインストールされたアプリからWiFiでインターネットに接続されパソコン用のホームページを見れるようになったというのは、携帯での携帯専用サイトとは比べ物にならないくらいの情報量が扱えるようになりました。WiFiを携帯からのデータに変えてiPhoneが誕生するわけですが、Appleは昔からPDAでは失敗の連続でした。もうPDAはやれないだろうと思っていましたが、その後の色々な技術の進歩により今のiPhoneやiPadができるようになったわけです。スティーブ・ジョブズもニュートンの失敗を取り戻して余りある製品を世に送り出したわけです。
4.Windowsとのシェア争いに負けた時の再現か。
iPhoneの好調で気をよくしていたときに、Androidが携帯のOSを一変させてしまった。今までは携帯メーカはその携帯だけのOSを開発しており、業界のデファクトスタンダードはなかった。たとえば、ノキア、Motorola、日本国産メーカなど独自のOSを利用していました。それが、Andoroidが出てきてジョブズは非常にあせったと思います。再度、PCの世界のMacとWindowsがタブレットやスマートフォンのOSがAndoroidの出現で圧倒的にAndoroidのシェアが今後伸びてゆくのは眼に見えていて、それを恐れてか、水爆をつかってでも、つぶしてやると(病床でビル・ゲイツ)言ったそうです。最近読んだ本なので、どの本に書いてあったかは忘れました。これは、Android出現に非常な危機感を感じていることの表れだと思います。MacとIBM PCが競っていたときに、Macはユーザインタフェースでかなり進んでいました。当時、IBM PCはDOSベースのものでした。しかし、MicrosoftがMS-DOSからWindows95を出してきて、IntelのCPUと組み合わせたPCがMac以外すべてとなってしまい、PCシェアでは圧倒的にWindowsの優位が揺ぎ無いものになって久しい状況でした。今も、MacとWindowsのPCでは圧倒的にWindowsです。そんな中、携帯のシェアでiPhoneが出るや、一気にiPhoneが世界中に広がり、その他の携帯を大きく引き離しました。そんな時に、Androidが出てきて、今やほとんどの携帯のOSにAndroidが使われようとしています。AndroidがiPhoneを抜くのは、もはや時間の問題です(多分?)。
余談ですが、私はWindowsの誕生であるWindows3.1の時代から使っていますが、Windowsの再インストールのためにどれほど多くの時間を無駄にされたか計り知れません。それに、だんだん使い勝手の悪くなるOfficeをその都度買わされて、怒り心頭です。最近のOffice2007、あれ、何ですか?人を馬鹿にしている。今までと同じような機能でありながら全く操作方法を変えてしまって、いままで平気でしていた操作が、どこにあるのか探すのに苦労して、ここでも私の時間を無駄に浪費しています。早く、Androidベースのタブレットに置き換わってくれないかと思っています。
では、例によって、まえがきからこの本を書いた人がどんな思いで書いたのかを見てゆきます。
『私は、日本のものづくりの現場に長く立ち会ってきて、「なにも衰えていないのに、なぜこんなに衰えたのか」と考えてきた。そして、それは勇気の欠如にあるのではないかと思い始めている。なにもなくとも平然と生きる勇気。それさえあれば、私たちは元気をたやすく取り戻せるのではないだろうか。若きジョブズの、いわば修行時代の話を中心にまとめたのが本書である。それが勇気の物語なのか、そうでないのか。まれに見る成功者の青年時代に、大いに学んでほしい。』
・書籍のご紹介
2011年10月5日水曜日
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