2011年11月10日木曜日

Newsweek日本版 特集天才なきアップルを悩ます「神話」 ジョブズ、偶像と実像 を読んで

ジョブズ神話とアップルの真価

ジョブズをほめている点
・天性の才能を生かし、新製品を発売するたびに、それが天地を揺るがす大事件であるかのように印象付けた。
・自社ブランドと製品を実力以上に光り輝かせてきた。
・関係者やファンの間で、ジョブズは「現実歪曲オーラ」の持ち主として知られていた。
・アップルはもちろん変わる。ジョブズのような聡明でカリスマ性があるリーダーがいなくなれば、組織の性格が変わらないわけがない。

ジョブズをけなしている
ジョブズはエンジニアではなかった。プログラムは1行も書いたことがないiPodの発明もデザインもしていない。iPodという名前を思いついたのもジョブズではない
マッキントッシュもジョブズの発明品ではない
・ジョブズは製品デザインに当たって、消費者の好みを探るマーケティングリサーチ方に頼らなかったことで知られる。彼が頼ったのは自分の直感だった。

「スティーブは夢を100回実現した」

ジョブズをほめている点
すごく計画的で、常に戦略が頭にあった。
・マイクはスティーブの才能を見抜いていた。情熱と興奮、そして世界で成功できる思考の持ち主だ、と。
スティーブの最大の強みは、誰もが「ビジョン」だと言うだろう。もちろんそれも重要だけど、戦略的な規律がなければビジョンには先行きがない。

ジョブズをけなしている
・彼がアップルでハードウェアやソフトウェアの設計をしたことはない。
・スティーブはと言えば、いつも人に食って掛かり、いつもトップになろうとしていた。そういう落ち着きのない攻撃的な人生は、技術者仲間にもたくさんいるけれど、僕には縁がない。

偽ジョブズが語る本当のジョブズ

ジョブズをほめている点
・ジョブズはただの実業家ではない。彼自身、自分をアーティストだと思っていた。しかも、文化そのものをキャンバスとするアーティストだ。

ジョブズをけなしている

近頃は多くの記事がジョブズを聖人に仕立てたがっているが、彼は聖人なんかじゃない。周囲の人間に対して、驚くほど気難しい態度を見せることもあった。私生活でも仕事上でも、愚かな過ちを犯してもいる。
・ジョブズがパロディーのネタになりやすかったのは、彼が病的なまでのエゴイストだったからだ。彼は社員をこき使い、面と向かって他人を侮辱する、鼻持ちならない、ユーモアを解さない男だった。
・アップルとはカルト的な宗教団体の運営する家電ビジネスであり、マフィアの仕切るディズニーランドだ。もちろん立派なビジネスだが、同時にカルトでもあり宗教でもある。

ガレージすらなくソファだけだった頃

ジョブズをほめている点
・ジョブズは、技術そのものには価値を見出さなかった。問題を解決するとか、何かを実現することで初めて価値が出るという考えだった。
・常に完璧な仕事を要求された。そこまでやってられるか、と思う人も多かったけど、彼のビジョンが少しでも垣間見えると話は別になる。うるさいのも納得できるんだ

ジョブズをけなしている
・-ジョブスは当時から天才と思われていたのか。技術者としてなら、答えはノーだ。プログラムも書けず、他の人に書いてもらっていた。ただ、物事を成し遂げる気概があるのはみんな分かっていた。
・われわれはアップルと言う宇宙の中にいて、外界のこと何も知らなかったんだ。-例えば。ウインドウズが、そしてマイクロソフト・オフィスが世界を征服したこと。インターネットも完全に見過ごしていた

こう見てくると、技術的な先見性はなく、社員が作り上げた製品(ジョブズには試作品にしか見えなかったのかもしれない)を自分の美学にあった製品へのするために執拗に社員をこき使い、納得できる製品が出来たら、自分は天才で、この製品は最高だと思い込ませるのが上手だった経営者と見るのが妥当かもしれない。

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